第4回 大人のお好み、甚六。

鉄板を前にしたながーいマーブルな石のカウンターで

焼きたてのシンプルにうまい豚玉を肴に飲む。

それも金曜の夜だったりする。淋しくない?淋しくナンカナイ!

けっこう心地よい時間なんだ。店主のKOUHEIさんが話につき合ってくれる。

そこらの下手に気取ったBARで飲むよりよほど気が利いているよ。

並びを見ればそんなあ輩はボクだけじゃない。

けっこう大人の、お一人さんがいる。

甚六が開店したのは平成元年。

最初は同じ白金でもプラチナ通りの入口辺りの、

ちいさな店だったが、そこで人気大爆発。

勢いに乗って5、6年で今の場所に進出した。

そして、いまだにその人気は続く。たいしたものだ。

清潔な、明るい、陽気な店。

どんなに疲れていてもここに来れば元気になれるそんな感じ。

店主の應田さん(KOHEI)の人柄が反映されていると思う。

元MENS MODEL。

タッパもあるし男前。

26歳のとき、お好みが焼くのがうまい、

とMODEL仲間におだてられはじめた店も

もう23年たった。今では風格さえも、、、

自信だね、ますますいいオトコになった。

片腕でもある店長の伊知地さんは顔も腕もいい、

同じくマネージャーの斉藤さんは顔も声もいい。

スタッフは誰も気さくで会話が楽しめる。

肝心のお好み焼はもちろん大阪流。

ソースの風味が強めで癖になる。

豚玉がボクのSimple  is best.

KOHEIが生まれた育った大阪で親しんできた味を、

今的に東京的にいい意味でアレンジできている。

これをBARでつくってもらったウオッカやラム系の

カクテルのオンザロックで飲みながら。

個室も用意された広びろとしたサロンには洒落たBARがあり、

お酒は何でもオーダーできる。

パーティーもできるサロンは開店当時、お好み焼き店のイメージを打ち破る

モダンな内装が話題になり、長い間予約がとれにくい店だった。

コンセプトの斬新さが見事だった。

東京から始まった大阪風お好み焼き店として、

最大の成功例と語り草になっている。

お好み焼はほぼ何でも頼める。この店で生まれた新種もある。

ベジタリアンだといえばバージンオリーブオイルで焼いてくれたりもする。

あとのお薦めはキムチとん平、野菜系ではホタテと大根サラダ。

ちょっと重めに食べ過ぎたあとにおなかをすっきりさせてくれる。

こうして甚六は、会話が楽しめる、お酒が楽しめる、

だから長居できる、だから大人に人気がある。

週末などちょっと顔を知られたシニアな著名人が何人も来ていたりする。

もちろん新しい時代のお好み焼のパイオニアであり、

若者カップル、女性客をも惹き付けている。いや、むしろ

数から言えばそちらの方が多いのだが。

誤解されませぬよう。

お土産には名物ビッグ・たこ焼を。

若山憲二


白金 「甚六」TEL : 03-3441-1436